2009年12月09日

【新聞記事】増える「無縁仏」 家族関係の希薄化、長引く不況…


遺言には直接関係のない話題ですが、とても考えさせられる記事です。



増える「無縁仏」 家族関係の希薄化、長引く不況… 宇都宮 |下野新聞「SOON」

 亡くなっても遺骨の引き取り手がない「無縁仏」が、宇都宮市内で増加傾向にある。同市生活福祉課によると、10年前は1けた台だったのに対し、2008年度は46人にまで増加。本年度も既に31人に上っている。行き倒れなどの身元不明者はごくわずかで、家族や親族が引き取りを拒むケースが多いのが最近の特徴だという。

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 無縁仏となる人は、1998年は身元不明者5人を含む計6人だった。しかし、ここ数年、増加傾向をみせ、2005年には50人に。このうち、身元不明者はわずか3人で、ほとんどが引き取りを拒否されたケースだった。

 今年3月に自殺した30代男性は、両親がともに亡くなっており、市が親族を見つけ出して引き取りを求めたが、「もう長い間付き合いがなく、縁も切っている」と断られた。

 県医事厚生課によると、県内では宇都宮市以外に、無縁仏が大幅に増加した自治体はないという。「都市部で、家族などの人間関係が希薄化していることの表れだろう」(市生活福祉課)という。

 また、無縁仏となる人の中には、生活保護受給者が少なくない。08年度は46人のうち、30人が生活保護を受けていた。同課は「長引く不況も影響している。少子高齢化、核家族化などさまざまな要因もあり、今後も増加していくのではないか」とみている。


宇都宮市の年間死亡者数は、4,000人ほどです。50人というのは1%を超えた程度で、全体から見ればごく一部に過ぎません。ただ、これがどんどん増えていき、5%とか10%なんてことになったら、かなり深刻な問題なんじゃないでしょうか。

遺体の引き取り手がいないこと自体も問題ですが、その背景には、日本人(それも、都市生活者)の「脱・家族化」が進行していることがうかがえます。おおげさかもしれませんが、日本人は、日本社会は、どこか根本的なところで道を誤ったような気がしてなりません。個人的には、戦争に負けて自己否定せざるをえなかったことが原因のように思えますが、このブログはそういった議論を展開するべき場ではないので、この辺でやめておきます。

みなさんはこの記事、どんな風に感じますか?

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