2008年07月23日
【ユニークなサービス】医療現場にナースセラピスト
複数の専門分野を持つ人は、「その人ならでは」といった固有の価値を持ちます。これは看護師にしてアロマセラピスト、という方のお話。
医療現場にナースセラピスト/横須賀市立市民病院(神奈川新聞)
薬の服用や放射線治療などに伴う患者の苦痛を和らげるために、オイルマッサージなどを施す「ナースセラピスト」を医療の現場に導入するユニークな試みが、横須賀市立市民病院(同市長坂一丁目)で始まった。患者からその日の気分を聞いて内容を決めるなど丁寧な対応を心掛け、病院内で好評を得ているという。
ナースセラピストを務めるのは、アロマセラピストと看護師の資格を持つ所沢いづみさん(51)。週に一回、病室に出向き、アロマセラピーを行っている。
看護師経験のある所沢さんは、医療知識をもとに患者の症状について医師と話し合い、その都度マッサージする部位を変える。一人に費やす時間は約一時間。一人一人の病状を考慮してオイルの種類を変えるなど、手の込んだ施術が患者から人気を集めている。六月にスタートしてから、徐々に利用者も増えているという。
同病院の佐藤清江副院長も「マッサージをしながらがん患者の悩みに耳を傾けるなど、精神的な支えにもなっている。不眠の解消にもつながっているようだ」と医療分野でナースセラピストが果たす役割を強調。
「受けていると、いつの間にか眠ってしまうことが多い」と、導入当初の六月から施術を受けている男性(71)は「普通のマッサージと比べ、体がリラックスして心が落ち着く。所沢さんの来る日が待ち遠しい」と語る。
所沢さんは「患者さんの症状が少しでも良くなってほしいと思ってやっている。チーム医療としての役割も果たしていきたい」と話している。
同病院は、入院患者からの好評を受け、早ければ八月から施術の日を週二回に増やすという。
「癒し」に関わる知識や技能が多様化し、それが新たな組み合わせを生む。この動き、大いに歓迎したいですねぇ。