2012年02月02日

【ニュース】老年医学会が終末期の胃ろう等について「治療差し控えも選択肢」と立場表明


既にあった「立場表明」が10年ぶりに改訂された、ということのようです。



医学関係の学会からこれほどはっきりした見解が出されたということもあって、大きな反響を呼んでいますね。

終末期胃ろう「治療差し控えも」…老年医学会 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は28日、高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、「治療の差し控えや撤退も選択肢」との見解を示した。

終末期医療に対する同学会の基本的な考え方を示す「立場表明」の改訂版に盛り込まれ、同日の理事会で承認された。

「立場表明」は2001年に策定されたが、その後の実態に即したものにするため、10年ぶりに改訂された。近年、口から食べられない高齢者に胃に管をつないで栄養を送る胃ろうが普及。病後の体力回復などに効果を上げる反面、欧米では一般的でない、認知症末期の寝たきり患者などにも広く装着され、その是非が議論になっている。

改訂版では、胃ろうなどの経管栄養や人工呼吸器の装着に対する見解が初めて盛り込まれた。高齢者に最善の医療を保障する観点からも、「患者本人の尊厳を損なったり、苦痛を増大させたりする可能性があるときには、治療の差し控えや撤退も選択肢」とし、「患者の意思をより明確にするために、事前指示書などの導入も検討すべき」とした。


朝日新聞の記事では、この立場表明の持つ意味合いが解説されています。

朝日新聞デジタル:胃ろう中止も選択肢に 終末期医療の原則、学会が改定 - 社会

終末期医療の手続きなどを定めた法的ルールはない。この立場表明にも拘束力はないが、高齢者医療に携わる医師が治療方針を考える際の基本原則とするもの。具体的な手順などを定めたガイドライン(指針)を作る際のもとになる。


立場表明の文書は、下記リンク先にてPDF文書を閲覧・ダウンロードできます。

「高齢者の終末期の医療およびケア」に関する日本老年医学会の「立場表明」2012

これをきっかけに、メディアが終末期医療の問題や課題について突っ込んだレポートをしてくれることを望みます。それも踏まえ、社会のいろんなところで議論が起こり、また各人が「自分はどうしてほしいか」「家族の時はどうするか」を考えるきっかけにしてほしいですね。

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