2012年10月23日

【ネット記事】「ACP」をみんなで考えよう


「ACP」はアドバンス・ケア・プランニング。今後、広く使われる言葉となることでしょう。



ここでご紹介するのは、ライフネット生命社長・出口治明さんが「ダイヤモンド・オンライン」に連載している「出口治明の提言:日本の優先順位」です。

自らの“逝き方”を元気なうちに決めておく 「ACP」をみんなで考えよう|出口治明の提言:日本の優先順位|ダイヤモンド・オンライン

ACPは、患者の意思決定支援計画と訳されている。人生の最期に、延命治療を望むかどうか、患者が医師・看護師らとの対話を通して、自分の価値観に合った治療やケアの方針を決めておく仕組みのことであって、同紙によると、ACPに記入する主な項目は次の通りとなっている。

(略)

ACPの特長は、患者が元気なうちに作成するという点にある。わが国でも一部で行われているDNAR(do not attempt resuscitation、患者本人または患者の利益にかかわる代理者の意思決定を受けて心肺蘇生法を行わないこと。ただし、患者ないし代理者へのインフォームド・コンセントと社会的な患者の医療拒否権の保障が前提となる)や、AD(アドバンス・ディレクティブ、患者本人の意思決定能力がなくなった時の選択を、あらかじめ口頭や書面で示す。リビングウィルとも)等との大きな違いは、DNARやADが患者本人が亡くなるということを前提にした取り決めであって、話を切り出すタイミングがなかなか難しいのに対し、ACPは、患者本人が元気なうちに、終末医療に限定することなく、現在の健康状態や気掛かりな点、今後の人生でチャレンジしたいこと等を含めて、患者本人の価値観や人生の目標を、関係者の間で共有するという点にある。

もちろん、時間の経過に従って、患者の価値観や目標が変わる場合も多いので(むしろその方が自然であろう)、ACPを導入する場合は、定期的に患者の意見をよく聞いて、見直すプロセスが欠かせないであろう。ACPの基本理念は、人間が良く生きるために何が大切か、患者の権利を尊重することに、その主眼があるのである。




「元気なうちに」「対話によって」作成する、というのが大きな特徴です。ACPは医療についてのものですが、今後は遺言についても「元気なうちに」「対話によって」作成する、という動きがでてくるのではないでしょうか。夫婦で、家族で、専門家立ち会いのもとに。

これは10日あまり前に紹介した「estate planning」にも通じますね。

【テレビ】ABCニュースシャワー「estate planning」 | 終活ニュース(2012-10-11)

さて上記記事はもともと、朝日新聞の記事に触発されて書いたものです。

朝日新聞デジタル:最期の治療、自分流に 豪州に見る意思の文書化 - ニュース
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項目の部分を抜粋しますと

■ACPに記入する主な項目

〈人工呼吸器や人工栄養などの延命治療について(以下から選択)〉
・できるだけ長く生きるため延命治療を希望する
・担当医が、合理的な結果を期待できると判断した場合は、受けたい。私が意味する合理的な結果とは(記述)
・希望しない。もし開始されても中止し、緩和ケアを受けたい

〈対話でまとめた希望(記述)〉
・人生において最も大切にしていること
・受け入れ難いと思う今後の健康状態
・望まない特定の治療法
・ひんし状態のときに望むこと


元の記事に戻ると、出口さんは下記のような提言をしています。

わが国で行われている高齢者施策のほとんどは、お金をどう管理するか、病気になったらどうするか、困ったらどこに相談に行けばいいのか等といった、いわば即物的なニーズに応えるものばかりであって、高齢者が、残された時間を活用して、どういう人生を送りたいのか、何が人生の目標なのか、どのように良い死を迎えたいのかといった人間の根源的な問いに答えると共に、残された人生をトータルでサポートする骨太の仕組みが見当たらない。私見では、ACPこそが、その中核を担うべきだと考える。


高齢者みながACPを作成し、それがクラウドのデータベースに保管され、医療機関が適宜それを参照する、というわけです。遺言、さらにはエンディングノートも、そんな風になってほしいものだとかねがね考えています。国が一元的に管理するのは、一長一短あると思いますし、私個人は民間の自主的な取り組みが徐々に広がるのを待てば良い、という立場ですが。

ともあれ、ACPを作る前提となる情報や学習機会の提供、そして作りたいと思った人がすぐにアクセスできるような受け皿は、早期に整備していく必要がありますね。

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