2012年10月07日

【ニュース】延命治療の中止を求め、家族と裁判で対立(アメリカ)


先にイギリスでも裁判がありましたが、こちらは「本人の意思を尊重」という結論。



ただ両親は、それを「認めない」としているそうです。

「米女性「延命治療中止を」、家族は反対」 News i - TBSの動画ニュースサイト

アメリカで、病気のため自発呼吸ができなくなった28歳の女性が延命治療の中止を望み、家族が反対する中、裁判所が女性の意志を尊重する判断を下しました。患者と家族、どちらの権利を尊重すべきか、関心が集まっています。

ニューヨークの銀行で働いていたグレース・リーさん、28歳。走ることが趣味で、去年はニューヨークマラソンへの出場を目指していましたが、いまは病院のベッドで寝たきりとなっています。

去年の秋、脳に腫瘍が見つかり、先月には脳卒中で首から下が麻痺。人工呼吸器などが付けられ、『余命数週間から数か月』と告げられたのです。グレースさんは主治医に「人工呼吸器などを外してほしい」と懇願。病院側は「判断能力はある」として、要請を受け入れることを決めました。

これに驚いたのがグレースさんの両親。裁判所に差し止めを請求しました。しかし、裁判所は『難しい判断』としながらも、患者の権利、つまりグレースさんが自ら延命治療を望まないとする思いを尊重すべきだと判断しました。

テレビ局のサイトの場合、動画含め記事がすぐ削除される傾向にあります。お早めにご覧ください。

裁判は5日、高裁で一審を支持する判断が出たそうです。両親は「さらなる法的手段を検討するとともに、娘の説得を続けている」とのこと。映像にも出ていましたが、娘の方はかなり病状が進んでいるようで、意識も言語もはっきりしなくなってきているような印象を受けました(あくまで素人の印象ですが)。

これが10代とかそれ以下の子供というなら、話は全然違って来ると思いますが、28歳の大人の決断を両親が覆すことができるのかどうか。仮に両親の意見が通ったとしても、娘の死に対してわだかまりというか悔いのようなものを残すことになるのではないでしょうか。他人事ながら、いたたまれない気持ちになりますね。

本件のような裁判・係争は、これまでいくつか目撃してきました。近いところでは、先にも書いたイギリスの件。ちなみにこれは、本人が絶食の末餓死して決着しました。

【ニュース】英裁判所、全身まひ患者の「死ぬ権利」認めず | 遺言ニュース(2012-08-17)

さらに映画「海を飛ぶ夢」。これも、スペインでの実在の人物がモデルになっています。

海を飛ぶ夢 - goo 映画

そして日本の事例。これは裁判沙汰になったわけではありませんが、テレビで紹介され大きな反響を呼びました。18歳で亡くなった少女のケース。

ある少女の選択 - NHK クローズアップ現代

本件を伝えている本邦メディアがTBSだけ、というのは少し残念です。多くの人に知ってもらい、「自分なら、家族なら・・・」と考えてもらう題材だと思うのですが。ともあれ、続報が入りましたらまたお伝えします。

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