2013年01月10日

【新聞記事】医療スタッフが取り組み広げる「事前指定書」


事前指定書というより事前指示書と呼ぶのが一般的かと思っていましたが、検索するとヒットする記事では事前指定書の方が多いんですね。



中日新聞:<セカンドらいふ>医療スタッフが取り組み広げる「事前指定書」 元気なうちに「最期」選ぶ:暮らし(CHUNICHI Web)



終末期に延命治療などをどうするか。元気なうちは考えられず、いざとなると本人が判断できない状態だったり、家族で話し合う余裕もなかったり。家族や本人だけでは難しい「事前指定」を手助けする取り組みが、広がっている。 (境田未緒)

名古屋市の児玉清江さんは昨年八月、がん患者専用の高齢者専用賃貸住宅「ナーシングホームJAPAN」(同市)で、九十歳の母親をみとった。「妹と決めて、延命治療をせず、静かに最期を迎えられました」

この施設では、入所時に必ず、終末期に経管栄養などをどうするかの意思確認書を手渡す。それぞれメリットとデメリットを解説した用紙も渡し、家族に決めてもらう。

がんによって症状は違い、本人と家族の気持ちも違う。看護師が、いつでも変更できることを含めて説明し、気持ちをつなぐ。吉田豊美代表は「最期までどう生きたいか、どう生きてほしいか、決めるには情報が必要。私たちは、決めたことを受け止め、ケアをさせていただく」と話す。

七十代の女性は事前指定の説明を受けて初めて、同居の家族に「仏壇の引き出しに手紙がある」と告げた。延命治療を拒む手紙は、その一年半前の日付。「書いたことをずっと言えなかった」という。確認書を手に「やっと話し合える」と語る家族も。


まだまだこうしたことについて家族の間で立ち入った会話をするケースは少ないでしょうから、医療の側が積極的に働きかける必要があるでしょうね。記事にある「それぞれメリットとデメリットを解説した用紙」というのを、一般の人が手軽に入手できるようになると良いのですが。もっと言えば、映像やドキュメンタリードラマなんかも駆使してより理解しやすいように工夫された「ガイド」みたいなのがネットにあって誰でも観られるようになっているとうれしいですね。

記事では、変更しても全然構わないということが何度も強調されています。当然です。そして最後に重要なのは、誰に託すか。

事前指定書は、自分の意思で書いておくのが理想。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は、判断能力のある患者の意思を生かすため〇七年から、痛みへの対処や人工呼吸器、点滴などの終末期医療の希望を書く文書を外来患者に配布している。

在宅連携医療部長の三浦久幸さんは「重要なのは、終末期に治療のあり方を自分の代わりに意思決定してくれる代理人の指名」と指摘する。長年、介護してきた家族と遠方の親族で、意見が分かれることもある。判断能力がなくなったとき、誰に事前指定を託すか。指名しておけば、もめ事は減り、望む最期を迎えられる可能性が高い。




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