2013年01月03日
【ニュース】終末期医療の希望を文書に記録した人は1割
このブログとしては年明け最初の記事となります。
このニュースをNHKが報じたのは、年の瀬12月30日のことでしたが。
終末期医療の希望 記録した人は1割 NHKニュース
高齢で寝たきりになったときに延命治療を望むかどうかなど、終末期医療の希望について、4割の人が家族などと話し合っている一方で、実際に希望を記録に残している人は1割にとどまっている、という調査結果を、東京都健康長寿医療センターがまとめました。
この調査は、東京都健康長寿医療センターが、ことし3月に通院患者を対象に行ったもので、およそ970人から回答を得ました。
この中で、「認知症や脳卒中などで寝たきりとなり、意思の疎通が難しいうえ、食べ物を飲み込めない状態になった場合、延命治療を希望するかどうか」聞いたところ、▽「何もしないでほしい」が47%、▽「点滴だけを希望する」が41%でした。
そして、▽胃に穴を開けてチューブから栄養や水分を流し込む「胃ろう」や、鼻にチューブを入れる「経鼻経管栄養」を望む人は5%でした。
また、終末期医療の希望について、家族や友人と話し合ったことがあるかという質問には、44%が「ある」と答えました。
その一方で、希望する内容を文書などの記録に残している人は12%にとどまりました。
東京都健康長寿医療センター研究所の高橋龍太郎副所長は「こういう治療を受けたい、受けたくないという希望を記録に残しておくと、医師も家族もはっきり認識でき、希望を尊重することにつながる」と話しています。
「東京都健康長寿医療センターが、ことし(2012年)3月に通院患者を対象に行った」ということで、世間全般よりも医療への意識や関心は高いことが推測できます。それでも、話し合った人が半数弱、文書化した人がやっと1割強・・・。
2012年は終活への関心が一層高まった年と評価できると思います。ただ、必要性の認識や関心度が高まっても、それが実施率・実行率に結びついていないんですよね。去年3月のこの調査を今やっても、さすがに文書化率が2割を超えているとは思えません。「終活の実行率はせいぜい1割」というのが、掛け値無しの現実と言えましょう。2013年以降の課題は、「いかに行動に結びつけるか」ということになるのではないでしょうか。
そんな問題意識もあって、新年最初の記事にこの話題を選びました。意思表示の内容については、厚労省がこの春に大規模調査をすることもあって、このブログでも繰り返し、いろんな角度から語ることになるでしょう。
最後になりましたが、2013年も拙ブログをよろしくお願いいたします。
追記(2013-01-15 0:29):
「NHK生活情報ブログ」にも記事がアップされました。
終末期医療の希望 記録は12% - NHK生活情報ブログ:NHK
下記の指摘は、全ての人に読んでもらいたいですね。
調査を行った東京都健康長寿医療センター研究所の副所長で、老年医学が専門の高橋龍太郎医師は、「治癒が難しい状態になれば、それ以上、積極的な治療を受けても、逆に苦痛が増したり、自分が望む場所で過ごせなくなったりすることが広く理解されるようになったため、延命治療を望む人が少なくなっているのだろう」と分析しています。
その上で、高橋医師は「延命治療が検討される時、患者本人は意思疎通ができない状態になっている場合が多いので、普段から家族に希望を伝えると同時に、文書など記録を残しておくべきだ。以前、こんな風に言っていたという話だけでなく、客観的な記録があった方が医師も親族もはっきりと認識でき、希望を尊重することにつながる」と話しています。
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