2014年01月28日

【ニュース】脳死した妊婦の生命維持装置取り外し(米・テキサス州)


論争の的になっているようです。ご本人にも家族にも、お気の毒。



脳死妊婦から生命維持装置取り外し、米裁判所が尊厳死認める 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

米テキサス(Texas)州で26日、脳死と診断された妊娠中の女性から生命維持装置が取り外された。裁判所は24日、女性の尊厳死を求め家族が起こした裁判で、マリース・ムニョス(Marlise Munoz)さん(33)の生命維持装置を外すよう病院に命じていた。

ムニョスさんは昨年11月28日、妊娠わずか14週で脳死と診断された。このケースでは、胎児の権利を認めて中絶の減少を図る司法努力の結末と医療機関の権利をめぐり論争を巻き起こった。

ムニョスさんの夫と両親は、ムニョスさんの明白な意志を尊重するとして、人工呼吸器を外すよう求めていた。


妊娠していなければ「本人の意思を尊重」で済む話です。夫など家族も、それで良しとしているわけですし。ところがお腹に赤ちゃん(といっても妊娠14週目)がいるということで、話がこれほどもつれ、大きな話題になっています。ちなみに別ソースによればご夫婦はともに救急関係のお仕事をされていて、リビングウィルそのものは確固たる内容だったようです。

それにしても、下記のような喧噪は、当事者には迷惑至極ですね。

CNN.co.jp : 脳死の妊婦から生命維持装置外す 米テキサス州

この問題を巡って米国の世論は二分され、病院前には「神は生命を守る」「赤ちゃんと一家のために祈りを」などと訴える人たちが集まる一方、「マリースさんに安らかな眠りを」「マリースさんの意思の尊重を」と呼びかけるグループもあった。


日本の場合だと、本人の意思と家族の思いが一致しないことが「もつれ」の原因になりがちですので、この件は言葉は悪いですが対岸の火事みたいなものです。ただこういう話題をきっかけに「もし家族など身近な女性がムニョスさんみたいな状況になったら、どう対処するか」といったことを頭の中でシミュレーションしてみるのは、意義のあることだと考えます。

追記(2014-02-03 0:16)
産経が詳しく記事にしています。やはり情報量が多いと、見方が深まりますね。

【海外事件簿】脳死妊婦の生命維持に待った!尊厳死Vs中絶で米国世論二分 - MSN産経ニュース

こうした中、胎児に関する新たな事実が家族側の弁護士によって1月22日、明らかにされる。マリースさんは発見されるまで1時間以上も呼吸停止の状態だったため、ほぼ同じ時間だけ胎児も酸欠状態に置かれた。弁護士は胎児の容体に「明確な異常」が認められると指摘。生存しても水頭症や心肺の疾患、失明など重度の障害が残る可能性が極めて高いと訴えた。

病院側の法解釈の誤りを指摘する声も出始めた。米公共ラジオ(NPR)が州法の提案者に取材したところ、法律は「昏睡(こんすい)状態」や「植物状態」の妊婦を想定したもので、すでに医学的、法的に死亡した妊婦には適用されないと述べ、病院の対応は「法律を読み違えている」と語ったという。

全米が注目した州裁判所の判断は、24日に下された。裁判官は法案提案者の解釈通り、すでにマリースさんが医学的、法的に死亡しており、死者に州法は適用されないと判断。家族側の主張を認め、生命維持装置を止めるよう病院側に命令した。


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