2015年05月05日

【ニュース】英国民保健サービスが、後期高齢者や末期患者への終末期プランを用意するよう求める新ガイドラインを発表


この件を紹介する記事は「けしからん取り組みだ」というトーンになっています。


この度発表されたイギリス国民保健サービス(NHS)の新ガイドラインにより、75歳以上の高齢者や癌、認知症、心疾患、深刻な肺疾患などの末期患者に対して、病院側があらかじめ終末期のプランを用意するよう促された。

そこには、”蘇生措置” が必要なのか、不要なのか、事前に医師が同意確認することも盛り込まれている。NHSによれば、新ガイドラインは患者の終末期ケアを向上することを目的としているそうだが、医療の専門家の話では「ずうずうしいまでの誤り」であり、高齢者の患者に自分が「消される」との印象を与える恐れがあるという。
高齢者などの反発を買うと、定着するのは難しいでしょうね。制度の設計・運用の両方で工夫の余地がありそうです。

日本でもいずれはこうした問題に対して、何らかの制度化が求められるようになってくると予想します。財政上の制約もありますし、医療が高度化するおかげで「悲惨な死」も増えるでしょうから。「何でも反対」「ダメなものはダメ」では非建設的ですよ。

その際、やはり「延命の差し控えや中止を(事実上)強制している」といったとらえ方をされるのはマズいです。あくまで当人が各種の医療行為について十分理解した上で、どこまで望むのか・どこから先は断るのか、自発的に意思表示することが決定的に重要です。

個人的には、個人の医療観ひいては死生観をたんねんに聞き取り、それを文書化するのを助けてくれるような専門職がいてくれると良いな、と思います。多忙な医師・看護師にそれを求めるのは酷でしょう。医療者との間に入ってコミュニケーションを媒介してくれるようなコーディネーターがほしいですね。「医療コンシェルジュ」なる民間資格は、既にあるようですが。


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p-4195264 at 03:03│Comments(0)TrackBack(0)ニュース記事 

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