2015年04月23日

【書籍】間違いだらけの終活


新書本という形式なので、煽り気味のタイトルになるのは仕方ないんでしょうね。


ただ書き手は、いつも誠実なブログをお書きになっている愛知の葬儀社社長さん。内容面には期待していいのではないでしょうか。4月25日発売。


内容紹介
自分の死後に、家族に迷惑をかけたくない人はお読みください。
終活のプロが教える、間違った終活、正しい終活とは

近年、終活に関心を持つ人が増えています。
しかしその一方で、準備の大変さに挫折してしまったり、間違った情報に振り回されて悪徳業者にだまされたり、思い通りの内容にできなかったりとトラブルが相次いでいます。
大切なのは、終活についての正しい情報を知ること。
本書では、「葬儀納得度ランキング」で1位に輝いた愛知県の葬儀会社代表が、遺言のこと、葬儀のこと、供養のことなど、あらゆる角度から、本当の失敗しない終活を紹介します。
帯には"「終活のプロ」が教える幸せな最期を迎える方法"とあります。葬儀のお仕事では人の死にゆく現場に立ち会うことはほとんどないでしょうから、「幸せな最期」について伝授できるのか、あるいは「終活のプロ」を名乗る資格があるのかについては、疑問なしとしません。

私自身はそもそも「終活」という言葉自体好かないのですが(これについては今は長く語りません)、「間違った終活、正しい終活」という言い方にもすごく引っかかります。故人の思いを汲んで遺族がそれを実現するというところが肝なのであって、多少のトラブルや齟齬はつきものなのではないでしょうか。後になってみればそれも良い思い出となるかもしれません。

ミスやトラブルの温床となる「避けた方が良いポイント」のようなものはあるでしょうが、「正しい終活」なんてないだろ、と言いたいです。「正しい終活」なんてことを不用意に口にする人は、人間や家族について根本的に理解不足なのではないのか、とすら思います。

(ここまでの話はあくまで出版社による「帯」「内容紹介」についてのツッコミですので、内容についてはまた読んでから批評します。)

なお終活に関する新書本としては去年の5月にひろさちや著「終活なんておやめなさい」という本が出ています。あちらは終活という行為そのものをほぼ全否定していました。終活することを前提に「失敗しない終活」を語るこの本とは対照的と見るべきでしょう。


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