2014年05月19日

【ニュース】熱海の山林に民間業者が散骨場を計画


「周辺住民は猛反発」だそうです。



静岡県熱海市熱海の相模灘を望める山林に民間業者が散骨場の建設を計画していることが分かり、周辺住民が「環境阻害だ」と猛反発している。

15日夜は市西部地区町内会連合会が市立第二小学校で、副市長や担当部課長を招いた「説明会」を開催。住民約150人が参加して「絶対反対」と、一斉に声を上げた。
葬儀場や火葬場の建設に反対運動が起こるのは、よくあることです。散骨に関しては海上で行われるケースが多く、山林にこれだけ大規模(8000区画)な散骨場を設けることがあまりないので、反対運動が起こるのはレア・ケースですね。

こういうものの反対運動に加わる人の心理は一般に、「気味が悪い」というような心情的なものと、不動産価値の下落といった損得勘定がないまぜになっているかと推察します。本件に関しては熱海という土地柄ですから、「イメージダウンにつながる」という意見も理解できなくはありません。私の予想では、大幅な計画の変更や縮小、もしくは断念を余儀なくされそうな気がします。

ともあれ法律に散骨がきちんと位置づけられていないのは「不備」と言わざるをえません。国会では尊厳死の件が議論されようとしていますが、あちらが一段落したら墓埋法の改正にも手を着けるべきではないでしょうか。

一歩引いて考えると、こういうものに反対運動が起こるのは、現代日本人が死を忌避するがゆえ、とも言えます。多死化が進む日本で、葬儀や墓はどうなっていくのか。社会にどう位置づけていくべきなのか。そうしたことを考える「ネタ」として、本件は興味深い事例と言えそうです。熱海の住民ではなく、直接の利害関係がない我らにとっては。

追記(2014-05-22 1:23)
中日新聞もこの件を報じました。

中日新聞:熱海に散骨園計画 住民反対「生活圏近い」:静岡(CHUNICHI Web)

また読売新聞には、熱海市の会見を報じる続報が。

熱海に散骨場計画、見合わせ指導に「賠償も」 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 


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